確率をやさしく説明してくれる好著を見つけました。
タイトルは「使える!確率的思考」(→)。著者は、大学の経営学科で準教授を務める小島寛之氏。
通読して、印象に残ったことのひとつが「マルチンゲール」の解説。
これって、僕は誤解していました。「はずれたら賭け金を2倍にして、次のレースやゲームに挑む賭け方」だと思っていたからです。著者によれば、それは漫画家の西原理恵子氏が考案した「倍倍プッシュ法」とのこと(笑)。
マルチンゲールとは、「過去のデータをどんなふうに利用しても、未来の自分の結果を有利にすることはできない」という数学的な性質のことだそうです。ちなみに、「倍倍プッシュ法」については、賭けがマルチンゲールであるかぎり、「期待できる利益の平均はゼロ」とばっさり切っています。
もうひとつ記憶に残ったのが、「平均値」の解釈について。
調査によって平均貯蓄額が公表されると、たいていの人は「高い」と感じるそうです。なぜかというと、その数字は“全体の平均値”だから。「小数ながらも非常に大きな貯蓄を持っている家計、いわゆる『大金持ち』が存在する」ために高くなるそうなのです。
で、平均値のほかにも「頻度が五分五分の位置」にある“中央値”と、「最もよく見かける貯蓄額」である“最頻値”という数値があって、これらは先の平均値よりも低く、“感覚的な平均値”に近いことが多いとのこと。
そこで思い出したのが、競艇選手の平均年収。
選手募集の広告には「平均2000万円」とありますが、上述の理屈でいえば、この数字はきっと多くの選手の実感からはかけ離れたものだろうな、と。賞金王決定戦に出場するレベルの選手が、平均年収を押し上げているだけであって。
中央値や最頻値となると、2000万円よりもはるかに低くなることは明らか。いったいどれくらいの数字になるのか知りたいところ。もしすべての選手の獲得賞金額が公表されていれば、ファンでも簡単に算出できるのですけどね。
これらのほかにも、ギャンブルファンを勇気づけるフレーズがいくつかあったので紹介します。
「賭けの勝利がどんなに奇跡に見えても、大量の人間が参加しているならそれは(誰かの身の上には)必然的に起こる」
「『勝ち逃げ』は大事な戦略」
「(ランダムウォークの数学理論について)「ツキ」とみなされる現象が迷信ではないことを指摘している法則ともとれる」
「『でたらめについての法則』を知らなければ、人生というのは、ただただ『運命に翻弄される』だけのものになる」
いずれも理由は本にくわしく書かれています。
興味を持った方は、読んでみてはいかがでしょうか?
10月 17





