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公営ギャンブルの「寿命」

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日本カジノ戦略(中條辰哉・著) 実現に向けて前進してはいるのだろうけど、いまひとつ進捗状況が見えない国内カジノ。
 そんななか、タイトルがぱっと目に入って、買ってみたのが「日本カジノ戦略」(中條辰哉・著)という本(→)。

 著者は海外の大学でカジノ経営などについて学んできたそうで、「これは期待できる!」と思って読んでみたのですが、内容はイマイチ。米国カジノの経営手法についても、国内カジノの設置についても、テーマやトピックの掘り下げ方が広く浅すぎて、ずっしりとした読後感が来ませんでした。

 ただ、そんな中でよかったのが、あとがきの一部。
 売り上げが低迷する公営ギャンブルについて、「カジノのビジネスモデルを最も応用すべき」と主張。そのあとに続く提言に、僕はとても共感できました。



 「これからの時代、単一の商品やサービスを提供するだけでは、人を長期的に満足させることは難しい。商品の効用は多くの場合『逓減』するからである。しかし、『効用』を組み合わせて提供することができれば、一つの効用が逓減したとしても、別の効用がそれを補う。顧客が総合的に『満足』するための価値を提供することができるのだ。」




 なぜ共感できたかといえば、僕自身、公営ギャンブルの人気や売り上げが回復しない理由は、「公営ギャンブルには60年くらいの寿命があって、いま、まさに晩年をむかえているのではないか?」と考えていたから。

 つまり、人間が寿命を持って生まれてくるように、どんなサービスや商品にも、世に送り出された時点で寿命があるのではないか、と。
 で、売上が回復しない事実から判断するところ、公営ギャンブルの寿命は、実は60年くらいなのでは? と思うのです。

 じゃあ、この先、公営ギャンブルが天寿をまっとうするのをファンは待つのみかというと、そうではないわけで。なぜなら、サービスや商品には、人間に対してよりも、多様かつ柔軟な方法で「延命措置」を施すことができるから。さらに、措置を何度も繰り返して、試行錯誤することが許されているから。
 ソフト(=商品やサービスの本質、コンセプト)を変えてもいいし、ハード(=外観や設備など)を変えてもいい。結果が出なければ、方法を変えてまたトライできる強みがあります。

 その点、これまで競艇は積極的にサービスの幅を広げ、レジャーとしての魅力を増してきたと思います。たとえば、ナイターレースや3連単の導入ですね。
 では、なぜ結果に結びついていないか? というと、それらはすでにあったものの「置き換え」でしかないから。3連単は、2連単を買っていたファンが移行しただけだし、ナイターはデイレースを時間軸のプラス方向にずらしただけ。

 これらは、競艇を「多様化」したように見えて、実は「改修」したにすぎないのかもしれません。ファンは、そのことを見抜いているため、期待した成果につながっていないのではないか、と考えるのです。

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