10月 17
ちょっと前にベストセラーランキングをにぎわせた林真理子の「RURIKO」。
同じ林真理子でも、公営ギャンブルファンが読んでおきたいのは、“RURIKO”ではなくて“アッコ”のほう。
アッコとはバブル時代、六本木を根城として遊び回っていた「厚子」という女子大生のこと。
ふたりの大物男性を渡り歩くように交際した、“伝説”として語り継がれる彼女の生き方を描いた作品が「アッコちゃんの時代」(新潮社、右写真)。
「で、そのアッコとやらとギャンブルに何の関係があるんだ?」と思うことでしょう。
実は、アッコが一時期、愛人としておさまっていたのが、最上恒産の早坂太吉(故人)。
「モガミ」などの名を冠した馬を、バブル期に飛び交う万札のごとく走らせていた御仁。
作中では「早川左吉」という名で登場します。
「早川と一緒に府中の競馬場へ行く。早川は一レースに三百万円賭けることはしょっちゅうだ。(中略)あれをいつから自分は平然として、見ていられるようになったのだろうか。わりと早い時期にだ」(79ページ)
「この男とつき合ったら、どんなことが起こるのだろうか。厚子は、これほど年がいって、これほど金持ちで、これほど悪そうな男とつき合ったことがない」(104ページ)
「早川左吉という男について、厚子にはわかったことが二つある。ひとつは早川左吉という男の評判が、あまりにも悪いことであった。ふたりがつき合うようになった次の年、彼の会社は長谷川工務店、信越化学、大日本製薬という大企業を抜いて、企業の長者番付三位に躍り出た。けれども財界人扱いする者などひとりもいない。陰で暴力団と手を組み、『地上げ』という虚業によって、巨万の富をせしめた男。これが世間のおおかたの評価だったろう」(113ページ)
この作品のおもしろさは、早坂の人となりが女性視点、いや愛人視点で描かれている点にあると思います。
早坂を描いた書物には、以前にこのブログでも紹介した「実録・極道記者」(祥伝社)があります。でも、著者は当時、東スポで競馬記者をしていた塩崎利雄だけあって、カネと人情にまつわる男くさい話ばかり。だから、「アッコちゃんの時代」には、ある意味、資料としての価値もあるといえそう。
「事実ベースの小説」という点を割り引いても、読みごたえはじゅうぶんにある一冊だと感じました。
ちなみに、アッコが早坂の次に交際した“二人目の大物”が、六本木のイタリア料理店「キャンティ」の創業者の長男である川添象郎氏。三島由紀夫や黒沢明、加賀まりこ、松任谷由実らが集った、これまた“伝説”のレストランです。
こちらは、「キャンティ物語」(野地秩嘉・著、幻冬舎)に詳しく書かれています。キャンティは現存するお店なので、新橋や渋谷あたりのウインズで大勝ちしたら帰りに寄ってみるのも楽しそう?
10月 06
26日の記事で紹介した、植木通彦氏の著作「水に舞う不死鳥 艇王の二十年」(右写真)が届いたのでさっそく読んでみました。
結論から言うと、とってもおもしろい!
計212ページで2部構成。
第1部は選手を目指すところから引退するまでのストーリー。第2部は、全24場のひとつひとつについて、植木氏が選手時代に持っていた水面の印象と、すべての着順を掲載しています。
第1部を読んで感じたのは、語り継がれている植木氏のさまざまな“伝説”について、知らない事実がたくさんあったんだなあということ。
たとえば、モンキーターンとの出会いについて。
初めて見たのは、関東の競艇場で同じレースに出走したある若手選手だったとのこと。隣でいきなり立ち上がったので、植木氏はバランスを崩したとばかり思ったそうで。そこで、ピットに戻って「危なかったなあ」と声をかけたところ、「モンキー乗り」だと教えられたと書かれています。
植木がモンキーターンで華々しい成績を残したのは事実ですが、導入については意外にも“後発組”だったことがわかりますね。
また、桐生競艇での大けがについては、“75針縫った”ことがクローズアップされがちですが、実はそれだけではありませんでした。傷口の縫合後は小鼻がなかったため、さらに頭蓋骨の一部を鼻に移植する10時間の整形手術を行ったそうです。
そのほかに、プロペラ研究のために、数百万円を投じて長さ10メートルほどの水槽を作ったものの成果が得られなかったという失敗談や、福岡競艇の1マークのうねりは、水鳥が周囲にとまっているかどうかで大きさがわかるといった豆知識も紹介。
全体を通して、内容にせよ、表現にせよ、本人にしか書くことのできないものが詰まっているなあと感じました。そこに、この本の最も大きな価値があると思います。
“植木信者”なファンも、そうでない方にもオススメしたい一冊。
7月 04
地味な一報だけど、競艇ファンには影響があるかも? なニュース。
出版社の三栄書房とニューズ出版が、2009年1月に合併するそうです。
三栄書房は、競艇ファンにはおなじみの「競艇マクール」を発行している会社。
「株式会社三栄書房と株式会社ニューズ出版の合併に関するお知らせ」(三栄書房、7月1日)
この10年くらいをふり返ってみると、マイナーチェンジはあっても、リニューアルと呼べるほどの大きな変化は思いつかない競艇マクール。
長く読み続けているファンは、“変わらなさ”をどう思っているのでしょうね。「競艇雑誌の老舗っぽくていい」と感じているのか、「いいかげんに生まれ変わってくれよ」と焦れているのか。もちろん、僕は後者(^^;。
話は変わって、パチンコ関連のニュース。
大阪府でパチンコとパチスロを置いていたカラオケ店の経営者が逮捕されたそうです。
容疑は、風営法違反。カラオケ店ってのはめずらしいですね。
そういえば、うさんくさいレンタルビデオ店や漫画喫茶に行くと、メダルを景品に交換できるパチスロが置いてあるけど、あれは問題ないのかなあ(^^;。
「景品はわいせつDVD カラオケ店にパチスロ」(スポニチ、7月1日)
ここ半年くらいは、公営ギャンブルのノミ屋が捕まるニュースよりも、パチンコやパチスロがらみの事件のほうが圧倒的に多く報道されています。それも、今では撤去されてしまったギャンブル性の高い機種を置く「闇スロット店」が警察に踏み込まれたというニュースがほとんど。
ファンの射幸心をさんざんあおっておきながら、一気に抑制すると、けっきょく地下で違法ギャンブルが横行するということの証しにも受けとれます。
丸亀競艇のホームページで、山口剛のサイン入りプロペラをプレゼントしています。
締め切りは30日。応募はインターネットで可能。
「山口剛選手 サイン入りプロペラプレゼント」(丸亀競艇ホームページ)
今年、山口は丸亀でG1を2勝して、すでに1600万円を超える賞金をゲット。総獲得賞金の半分以上を占めています。
ここはプロペラを当てて、“丸亀男”の勢いにあやかりたいところ。
6月 17
たまには映画の話題でも。
「ラスベガスをぶっつぶせ」という作品。
「ラスベガス」というキーワードに体が反応して、封切り日の5月31日に見てきました(^^;。
ストーリーは、数学の才能を持つマサチューセッツ工科大学の男子大学生がブラックジャックで荒稼ぎをするグループに入り、そこでさまざまな騒動に巻き込まれるというもの。
僕自身はコテコテのギャンブル映画を期待していたのですが、実際は、カジノを舞台とした学園ドラマといったところ。ギャンブルで大金を手に入れられるようになった人間の悲哀を描いています。
ちなみに、ブラックジャックで“稼げる”というのは本当の話。
なぜならブラックジャックは、競艇などのように理論上の期待値が一定ではない「従属事象」のゲームであり、そのため「カウンティング」というテクニックを使うことで“勝負時”を見分けることが可能だから。
また、子はカードをもう1枚引くかどうかは自由だけど、親は合計16以下ならばいやでももう1枚引かなければならないため、そこに子が親を打ち負かせるチャンスが生まれるというわけ。
映画の登場人物たちもカウンティングを行い、合い言葉を使ったチームプレーによってラスベガスを攻略していきます。
このあたりについて詳しく知るには、「確率・統計であばくギャンブルのからくり」(谷岡一郎著、講談社)がおすすめ(右写真)。
第4章に「ブラックジャックの必勝戦術」があり、状況別に期待値が最も高くなるプレイ(もう1枚ひくか否かの選択のこと)を表にまとめた「基本戦略テーブル」や、海外の大学教授らが提唱したカウンティングの方法が具体的に説明されています。
この本を読めば「映画がすごくおもしろく見られる!」というわけではないけれど、映画を見てブラックジャックに興味を持ったなら、「興奮の冷めないうちにぜひどうぞ」って感じかな?
5月 15
大井競馬場の駐車場の一部に、大型の商業施設が建設されるそうです。
ご存じの通り、同競馬場までは平和島競艇場から歩いて10分ほど。
これで、「平和島競艇と大井競馬のハシゴ打ちで爆勝→浮いたお金で衝動買い」の“勝利の方程式”が完成することに!?
「【東京】大井競馬場の駐車場有効活用 東京都競馬」(建設業界ニュース、5月14日)
大井競馬場を所有する東京都競馬のホームページを見てみたら、今月7日付けでプレスリリース(PDFファイル)が出ていました。
地上6階建てで、オープンは来年の秋以降。建設予定地は、複数ある駐車場のうちの第4駐車場。地図で調べてみると競馬場の最も北側に位置。なので、平和島競艇からはもっとも遠いところになります。
僕自身、大井競馬場の駐車場と聞いて思い出すのが、2000年に平和島で行われた賞金王決定戦。車で乗り込んだら駐車場が空いていなくて(あたりまえ!)、臨時で無料開放されていた大井競馬の駐車場に誘導されたのでした。
競艇場に行く前には、西新宿には競艇広報センターへ寄って、オフィシャルカレンダーをもらったんだっけ。ずいぶん遠い昔の話に感じられます。
先週の土曜日に日本テレビ系で放送された 「打鐘!愛と涙の競輪学校 生き残りを賭けた青春物語」を見た方はいますか?
内容は、競輪学校で自転車漬け生活を送る生徒たちをとりあげたドキュメンタリーもの。
最も印象に残ったのは、愛知の近藤良太。昨年10月に競輪学校を卒業し、1月に松阪競輪場でむかえたデビュー戦を紹介していました。
新人らしく思い切りよく先行したものの、バテて大敗。控え室で子どものようにわんわん泣く近藤。3日目には早くも初1着。こんどは、うれしさで、同じように涙を流す近藤。
F1やF2(競艇でいうところの一般戦)の予選や負け戦にも、こんなに熱いドラマがあるんだなあと思い知らされたシーンでした。
再放送されることがあったら、ぜひ見てみてください。
5月 14
茨城の“10億円横領男”が再逮捕されました。
最初の逮捕は、今年3月に勤務先の口座から引き出した2800万円に対してのもので、再逮捕は昨年12月から今年3月までの1億900万円が対象。少しずつ過去の横領にさかのぼって立件していく方針みたいですね。
といっても、合計の横領額は10億円だから、容疑を固めなければならない“残額”は8億6000万円あまり。まだまだ先は長いなあ。
「『競艇払い戻し快感』元主任再逮捕」(読売新聞、5月13日)
森容疑者が警察に話している「払い戻しを受ける時に注目されるのが快感だった」という犯行の動機。罪は決して許せるものではないけど、公営ギャンブルファンなら「あー、わかるわかる」と共感してしまいそう。
大きく勝った舟券は、払い戻し機まで肩で風を切るように歩いていって、堂々と挿入したくなるのと同じことですもんね。しょぼい勝ちだったら、払い戻し額が後ろの人に見られないようにコソコソするのに(^^;。
ところで、この事件は読売新聞がいちばんていねいに取材していると思います。事実関係の調査だけではなく、容疑者や容疑者を知る人のコメントもしっかり集めていますから。続報にも期待。
近畿4場のポータルサイト「Paradise Turn」で、「競艇学校」という小説の連載が始まっています。
第一話は「競艇少女」。女子競艇の萌芽期を、競艇業界の内側から描いたもの。
著者のたけなか氏は、全国モーターボート競走会(現・日本モーターボート競走会)に入ったあと、本栖湖にあった研修所の所長や競走会の常務理事を務めてきた競艇業界の重鎮。
「小説 競艇学校 たけなか ただかつ 著」(Paradise Turn、5月10日)
ただ、よくわからなかったのは、古川美千代や大森千恵といった古豪の女子選手が実名で出てきたり、ストーリーもどう考えても事実を語ったものなのに、最後に「フィクションです」とあること。なぜそんな断り書きを入れるんだろう?
それはさておき、もうひとつのお楽しみは日高逸子の新刊「フルターン 競艇業界のグレートマザー日高逸子」のプレゼント。
「競艇学校」の感想をホームページから送った人の中から抽選で10人に当たるそうです。僕も、ソッコーで応募しました。エントリー番号が1番なのではと思うくらい(笑)。
いちど書店で手にしたことがあるのですけど、カバーにとても凝った仕掛けが施してあるんですよ。当選してからのお楽しみ!
5月 13
たぶん最初で最後になるであろう、蒲郡競艇場で開催される江戸川競艇の53周年記念競走。
その観戦ツアーの参加者募集が、KTCで始まりました。
いつもながら驚くのは料金の安さ。特に今回は、往復のバスとホテル、2食がついて5000円というから強烈(注:僕はKTCのまわし者でもなんでもありません。念のため(^^;)。
新幹線を使わないと安く抑えられるものですね。200人という大人数のメリットもあるだろうし。協賛金も蒲郡と江戸川の両方から出ていたりして?
ただ、旅程を見て気になったのは、2日目の日曜日は競艇を観戦せず、午後にはあっさり帰ってしまうこと。つまり、レースを観戦できるのは土曜日だけ。蒲郡くんだりまで来てこれじゃ、フラストレーションがたまりそう。
帰りのバスは乗らずに、夕方まで観戦してから自腹で新幹線を使って帰京するって人、多く出るんじゃないかな? 僕だったら間違いなくそうするけどなあ。
続いては本を1冊紹介。
公営ギャンブルファンを含め、博打好き全般に役立ちそうな書籍が2月に発売されています。
それが、大阪商業大学の谷岡一郎学長による「図解 ツキの法則」。
どこかで聞いたことがある書名だな? と思った方も多いはず。
1997年にPHP新書として発売された「ツキの法則~『賭け方』と『勝敗』の科学」(右写真)の図解バージョンのようなのです。
「ギャンブルの“科学的な”必勝法――『図解 ツキの法則』」(IT media Biz.ID、5月8日)
内容もまったく同じかというと、目次を見たかぎりはちょっと違っているみたい。
図解版のほうは、ギャンブルで勝つ方法について、より直接的に論じている印象。PHP新書のほうは、確率やツキといった、勝ち負けを左右する要素に焦点を当てて解説していますからね。
なので、「ごちゃごちゃ言わんと、ギャンブルで勝つ方法を教えろや!」てな方には図解版を、「ツキの神秘に迫りたいのです」という方には新書をオススメしたいところ。
僕は図解版を買って、新書と読み比べてみようかなあと考えています。
3月 27
中国の新聞紙上で、“いかさまギャンブラー”が自らの手口を暴露したというニュース。
30歳の男性が、いかさまで散財させられたことをきっかけに、麻雀やトランプなどのいかさま技を自ら習得したものの、足を洗うことを決意。
いかさまの手口を公開するため、その場として新聞を選択。
記事ではサングラスをかけた怪しげな男が、10枚の写真で小道具や手さばきを説明しています。
「『負け知らず』のいかさま賭博師、前非を悔いて「手口」を大公開!―河南省鄭州市 」(レコードチャイナ)
せっかく「負け知らず」のギャンブラーになったというのに、自分がやめるからといって、手口をさらしてしまうのはどんなものかと。現役でがんばっている“同業者”に悪いだろ(笑)。
いかさまでやられたから、いかさまでリベンジしようとする心構えまでは立派だったんだけどなあ。
ひとつ思ったのは、この男性は最初のギャンブル体験が「不公正な場」でのものだったから、自らの努力が「いかさま技の習得」という負の方角に向いたということ。
もし「ギャンブルはいつだって公正に行われている」という認識があるのなら、たとえば必勝法を探し求めるなどの正攻法に力が注がれるだろうから。
逆に考えれば、予想術や予想支援ビジネスが盛んな日本では、「公営ギャンブルは厳格かつ公正に行われている」と認識されている証拠ともいえるわけで。これはギャンブルが法のもとに置かれることのメリットといえるのではないでしょうか。
吉川元浩のG1・3連続優勝で幕を閉じた、三国競艇の周年記念競走。
6日間にわたる熱戦を、51枚の写真でふり返る特集が公開されています。
「特集 G1北陸艇王決戦 Photograph Collection」(三国競艇ホームページ、3月25日)
美しい写真が並ぶ中で気に入ったのは、「渾身の力を込めた走り」と題された16枚のうちの5枚目。がモンキーターンで(たぶん)1マークを回って、バックストレッチへと抜けてくる5艇を遠いところから撮った1枚。
競艇の写真や映像というと、アップで映すことによって、迫力を何倍にも増して見せようとしがち。でも、被写体が小さくても、こんな構図なら競り合う5艇のスピード感は体に響くように伝わってくるものだなあと実感。
必見のコンテンツです。
3月 25
ポータルサイト「goo」の地図サービス「goo 地図」で、昭和38年の東京23区の航空写真が公開されています。
「なるほど、当時のギャンブル場を空から見てみようということか!」と考えるのは早とちり。
せっかく45年もさかのぼるのだから、「消えてなくなってしまったギャンブル場」を見てみようというのが記事の目的。
で、1枚目。
右側が後楽園球場で、その隣にあるのが後楽園競輪場。こうしてみると、野球場も競輪場もそんなに面積は変わらないものなのですね。球場の左下にあるのは、今の「ウインズ後楽園」にあたる場外馬券売場でしょうか。

残念ながら、僕は後楽園競輪の往時を知らないのですが、資料や小説を読むと、当時はプロ野球をしのぐほどの人気を博していたとのこと。
白川道の「病葉流れて」には、このように活写されています。
「大勢のひとが建物のなかや、建物と建物の間からあふれるように出てくる。
『いったい、どこからこんなに人が集まって来るんだ?』
湯浅が驚くのも無理はない。建物の周囲、そして予想屋たちの周りには、立錐の余地がないほどのひとで押し合いへし合いの状態だった。どの顔も、熱気というより一種異様な興奮に包まれている。」
2枚目は、平和島競艇場。写真の左下に映っているのがそれ。
1マーク側に大井競馬場があるのは今と同じ。ただ、競艇場と競馬場をつなぐ道路がまだできていませんでした。

注目は、競馬場の上にある小さなトラック。
これが、大井オートレース場です。
「オートレース二十年史」によると、同場で初めてレースが行われたのは、昭和29年11月28日。ですが、その後、都知事がギャンブル廃止論を打ち出し、プロ野球選手が関わった八百長が明るみに出たせいで、昭和48年に廃止される運命をたどりました。
それにしても、これだけの近い距離に競艇、競馬、オートレースが固まっていたなんて、公営ギャンブルファンにとっては夢のよう。
ちなみに「競艇沿革史」によると、昭和38年の平和島競艇では周年記念(現在のトーキョー・ベイ・カップ)と施設改善記念(現在のダイヤモンドカップ)が開催され、節間の売上額は、いずれも2億1000万円あまりでした。
まったく話は変わりますけど、もう20年くらい前に、テレビ東京で土曜日の夜9時から放送されていた、関口宏が司会の「テレビあっとランダム」という番組をご存じですか?
番組のエンディングでは、昭和初期の東京の街並みが写真で紹介され、続いて当時のビデオ動画が流れて、東京の今と昔を比べるという内容でした。BGMは中島みゆきの「時代」。
とても好きなテレビ番組のひとつでした。見るたびに、「へえ、東京ってこんなところなんだ」と感動し、「高校を出たら東京だ!」と期待に胸をふくらませていたなあ。
まさか上京して公営ギャンブルに染まってしまうとは、まったくの予想外でしたけど(^^;。
3月 07
作家であり、詩人でもあり、科学者や政治家としての顔を持っていたゲーテ。
彼の教えをわかりやすく説明した「座右のゲーテ」(光文社新書)という本を読みました。著者は明治大学教授の齋藤孝氏。
で、その中にこんなくだりがあります。
「ゲーテは、自分の得意なこと、専門的なことを限定することによってパワーを生み出すことができると考えていた。それはたとえば、ゲーテとエッカーマンのこんなやりとりにも見ることができる。」
「エッカーマンは、スイス旅行中のゲーテが『万象に感心をもち、あらゆるものを把握しているのが嬉しい』と言うのだが、それに対してゲーテは、『しかしね、音楽のことには一言もふれていないだろう』と答える。」
で、「旅打ちって、実はとっても崇高なものなのではないか?」とちょっと興奮したのが、次の一文を読んだとき。
「それは、音楽は私の領分ではないからなのだ。誰でも旅行をするについては、何を見るべきか、何が自分に大切か、を知っていなければいけない」
旅の意義や楽しさに優劣をつけるなんてナンセンスだとは思います。だけど、「打つ」という一語で、ゲーテがいうところの「見るべきもの」と「大切なもの」を明確に表現でき、さらに「打つ」以外の目的を排除した旅打ちは、「旅の中の旅」といってもいいのではないかと。
10年間、旅打ちに取り組んできた(逃避してきた?)僕は、ゲーテのこの言葉に救われた気がしました。これまで費やした莫大なお金と時間は、決してムダなんかではなかったと……(^^;。
話題は変わって、競輪の場外発売所「サテライト」の話題。
ボートピアと同じように、サテライトも建設にあたってはいろんな騒動や摩擦が避けられないものだなあと実感したニュース。
大阪市の都心部に設置された「サテライト大阪」をめぐって、付近の住民が、生活環境が悪化したと裁判を起こしています。
「ミナミの場外車券場訴訟 住民は『原告適格』」(MSN産経ニュース、3月6日)
注目したいのは、サテライトは約1年前にオープンし、すでに営業をしていること。住民は、既存施設の設置許可処分を国に取り消させようとしているわけ。
普通だったら、設置許可の降りることが濃厚になった時点で、反対運動は沈静化するもの。なのに、営業を開始して1年もたつというのに、それでもあきらめない住民。
このねばり強さや熱意は、この地域特有のものなのでしょうか。それとも、サテライトの設置後、環境が本当に耐え難いレベルにまで悪化したとか?